10年後にふと思い出して欲しい

私の参加している経営者の交流会では、テーマを決めた自己紹介を毎回している。
少し前のテーマが、「私の人生に影響を与えた人は」というもの。
そんなのたくさんいるわな〜 と思いつつ、一旦決めた。10代の時に、とても影響の受けた学者・評論家の方にした。
しかし、なんか違和感がある。うーむ。影響を受けていることは間違いない。今でもことあるごとに読み直しているぐらい好きで影響を受けている。

交流会前日になって変えた。

中学時代の先生(理科の先生)にした。自分が10代の最初に”興味をもったこと”を後押ししてくれた人だった。
その頃、興味を持ち始めたことは、「コンピュータ」「物理学」「ロケット」だった。
私がお会いした最初の時は、20代後半の大学院の学生だった(はず)。その後正式に採用になり、担任となった。

先生は、何か強く主張するタイプではなかった。聞けば答えてくれるが、あとはニコニコ微笑みながら見守っている
という感じの方だった。
中学校2年当時、スペースシャトルが話題だった。晴海埠頭で「宇宙博」というのが開催された。「月の石」「サターンロケット」なども見ら

れるし、スペースシャトル計画についても解説されるという。
どういう経緯か思えていないのだが、何人かの友人と先生とともに見にいったことを覚えている。
その後、先生から先生の教え子である卒業生を紹介された。当時早稲田大学理工学部電子物理工学科に在籍していたバリバリの理科系技術者、特にコンピュータのハードウェアが専門だった。ハードウェアが専門といっても、それ以外のこともその辺の人とは比べ物にならないくらい詳しい。
そんな出会いがあり、コンピュータの世界にも深く入っていった。

そして、大学では工学部、就職して20年以上行ってきたのは、コンピュータのシステムエンジニアであった。
色んな人生の岐路で、影響を与えてくれた人は多いが、かなり早い段階ということで考えると、この先生しかいないと思う。
今思い出しても、本当に、ああしろこうしろなどということは口が裂けても言わない人だった。
ニコニコ笑って見守る。でも大事なタイミングでは、アドバイスしたり、サジェスチョンしたり、一緒に行動してくれたりした。
今、私は、プロコーチとして高校生・大学生の本当にやりたいことを引き出し、実現へのアドバイス、サジェスチョンをしている。いやそれだけではない。考えてもわからないことを一緒に悩む ということもしている。

あの先生のことは、「いい人だ」、「好きな先生だ」とは思っていたが、そんなに影響を受けたと考えたことが今までなかった。40年か。。。

私も、先生のようになりたい。 と今思う。

静かに見守る。でも、何か言うべき時は、言うべきことを言う。そんな先生になりたいな。

ただ、私の教え子には、10年後くらいに思い出して欲しいなあ。

「あーあの時の先生が。。」なんて思い出してもらえたら最高だ。

写真は、先週仕事で行った佐久の空