数年後のあなたへ

私の元にきた方が、数日後、数ヶ月後、数年後に「あー、あの時荻原と話してよかった」
と感じてくれること、それが一番嬉しいことである。
ただし、私がそれを直接知ることはほぼない。

偶然、数年後にその方と会って話をする。
「あの時の荻原さんのおかげです」
といわれたことはある。
それが、本当にそうなのか、リップサービスなのかはわからない。
そういわれると悪い気はしないが、私も逆の立場だったらそれくらいのことは言いそうである。

が、ほとんどの方とは会うこともない。

「私が何度かコーチングした結果転職した会社員」、「何度かコーチングした結果、今の会社で頑張ることを決意した方」、「私と話してキャリアコンサルタントになりたい気持ちがでて
試験勉強を始めた方」、「私の1年半のコーチングの結果、自分のやりたいことが少し見えて進学した大学でロボットの研究をして、希望の企業にエンジニアとして就職した学生」
などなど色々な方がいる。

今現在なにをしているのか知らない。私のコーチング、私との対話、私のサポートに対してどう感じているのか全く不明である。

今年、2014年から2年間サポートしていた方(当時高校生で医学部を目指していた)と数年ぶりに
夕飯を食べた。医学生最終学年でもうすぐ医師国家試験とのことだった。
数年ごとくらいに会っている珍しいケース。
彼がボソッと、「あの時(私のサポートの時)は、正直面白くなかった」と。
どきっとした。
その後、「でも、大学入ってあの時やっていたことが生きてきたんです」と。
まあ、リップサービスもあるだろうが、表情を見ると、本当にそう感じているようだ。

すごくうれしい というよりは、「まあ、よかった」
そんな感じ。

結局のところ、私がやっていることは、受ける方がなんらかの変化を起こす最初のきっかけに
過ぎないのだろう。

その後、その人は悩み、考え、行動し、変化する中で成長していく。
成長してみて、ふと振り返った時に私の存在(というよりも過去のある時に語った言葉、行動)が、彼方の過去にぽつんと見えてくる。
いつもそんな風にはならなくても時にはそんなこともあるのだろう。

目の前にいる人が、未来にその人なりの成長をとげること、それを信じて活動を続ける。